夏にも冬にも大活躍する加湿器ですが、加湿器には、スチーム式、気化式、超音波式、ハイブリッド式の4つの種類があることをご存知でしょうか?
家電量販店や通販サイトを見ると、加湿器がズラリと並んでいて、どのタイプを選べば良いのか悩んでしまう方も多いと思います。
そこで、4種類の加湿器の特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
併せて、4種類の加湿器のおすすめする人をご紹介します。
第一章:スチーム式加湿器の特徴とメリット・デメリット
スチーム式加湿器の特徴
スチーム式加湿器は、ヒーターで水を加熱してお湯を沸かし、蒸気を発生させて加湿します。
やかんや電気ポットでお湯を沸かすのと同じ原理ですね。
ペットボトルをタンクの代わりに使ったり、ペットボトルに小さな器具を取り付けた加湿器を見たことはありませんか?
この加湿器もスチーム式加湿器の一つです。
スチーム式加湿器のメリット
- 加湿能力が高い
スチーム式加湿器は、お湯を沸かして蒸気を発生させるので、パワフルに、また、スピーディーに加湿することができます。 - 衛生的
スチーム式加湿器は、タンクの中の水を加熱して蒸気を発生させるので、水の中のカビや雑菌の繁殖を抑えることができます。煮沸消毒しながら、加湿していると考えれば分かりやすいですね。
- お手入れが簡単
スチーム式加湿器には、カビや雑菌を遮るフィルターがありません。
また、シンプルな構造で、簡単に分解でき、隅々までお手入れがしやすいです。
スチーム式加湿器のデメリット
- 電気代が高い
スチーム式加湿器は、お湯を沸かすために電気ヒーターを常に用いているため、他のタイプよりも電気代が高くなってしまいます。 - 噴出口に触れると火傷する
スチーム式加湿器は、お湯を沸かして蒸気を発生させるので、蒸気の噴出口がとても熱くなります。噴出口にうっかり当たってしまったり、子どもが興味本位で触ってしまったりすると、火傷してしまいます。
また、加湿器を倒してしまうと、お湯がこぼれて、火傷するおそれがあります。
噴出口に触れないよう、また、加湿器を倒さないよう、置き場所には注意しましょう。製品によっては、チャイルドロックや転倒時のお湯漏れを抑える機能がついています。
スチーム式加湿器をおすすめする人
天気予報で乾燥注意報や乾燥レベルをお知らせするほど、日本の冬は乾燥しがちです。
部屋の乾燥がとても気になる、少しでも早く加湿したいという方は、スチーム式加湿器を選びましょう。
特に、自宅の滞在時間が短い方(帰宅したらすぐに寝る、起きたらすぐに出勤する方など)は、パワフルでスピーディーな加湿能力が最重要ですよね。
注意したいのは、スチーム式加湿器は電気代が他の加湿器に比べて高いこと。
使用時間が長いと電気代が嵩むという観点からも、スチーム式加湿器は自宅の滞在時間が短い方におすすめですよ。
第二章:気化式加湿器の特徴とメリット・デメリット
気化式加湿器の特徴
気化式はヒーターレス式とも呼ばれ、水を含ませたフィルターに当てて、気化させることで加湿します。
濡れたタオルに、扇風機の風を当てて、水気を飛ばすのと同じ原理です。
気化式加湿器のメリット
- 安全性が高い
気化式加湿器は、ヒーターを使わずに加湿できるため、噴出口から加熱した蒸気が出ません。
つまり、噴出口に触れても、火傷する心配がありません。 - 電気代が安い
気化式は熱を使わず、風を送るだけなので、約15~30W程度の消費電力で済みます。
長時間使っても電気代が安く、家計に負担がかかりません。
低い消費電力に対して加湿能力が高く、他の加湿器に比べて、コストパフォーマンスが高いです。
気化式加湿器のデメリット
- 運転音が大きい
ファンを使うため、運転音が大きいです。
運転音が大きいのは嫌だけれども、気化式加湿器をどうしても使いたいという方は、最近では、ファンを使わずに、自然に気化して加湿する製品があるので、そちらを選ぶと良いでしょう。 - 加湿するのに時間がかかる
水を含ませたフィルターにファンから風を送り、気化させるため、一度に蒸気をたくさん発生させることができず、加湿するのに時間がかかります。 - 室温を下げる可能性がある
気化する過程で、熱を奪われるため、噴出口から出る空気が室温より低くなります。長時間使うと、室内の温度を下げる可能性があります。 - お手入れに手間がかかる
水を含んだフィルターにファンから風を送り、気化させるため、フィルターに汚れが溜まりやすいです。掃除しなければ、カビや雑菌が繁殖してしまうおそれがあります。フィルターをこまめに掃除するのはもちろん、フィルターを定期的に交換しなければいけません。
気化式加湿器をおすすめする人
自宅の滞在時間が長い方は、気化式加湿器を選びましょう。
加湿するのに時間がかかりますが、自宅の滞在時間が長ければ、パワフルでスピーディーな加湿能力はあまり重要視しなくてもいいですよね。
自宅にいる間、加湿器をずっと使うなら、電気代が安い気化式加湿器がおすすめです。
第三章:超音波式加湿器の特徴とメリット・デメリット
超音波式加湿器の特徴
超音波式加湿器は、超音波で水を細かい粒子にし、ファンから風を送って、その粒子を空気中に放出して加湿します。
おしゃれなデザインが多く、また、アロマオイルを入れて香りを楽しめるため、自宅やオフィスにいながらにして、リラクゼーション施設にいるような気分になります。
花粉やインフルエンザウィルスの飛散を予防する殺菌水を使える製品もあり、病院やレストランなどで人気です。
超音波式加湿器のメリット
- すぐに加湿できる
水を沸騰させる必要がないので、電源を入れると同時に加湿が始まります。 - コンパクト
超音波加湿器の構造は主に、水を入れるタンクと超音波を発生させるパーツの2つ。他の加湿器に比べてコンパクトなので、置き場所を選ばず、また、片付ける際には収納スペースにも困りません。小さな部屋を加湿するのにピッタリなので、一人暮らしの方におすすめです。 - リーズナブル
超音波加湿器は、価格が比較的安いです。また、消費電力が低いので、電気代も抑えられます。 - 安全性が高い
超音波加湿器は超音波で水を粒子にして加湿するので、噴出口が熱くなりません。倒しても、こぼれる水は常温なので、火傷する心配がありません。 - 運転音が静か
ファンの音が小さく、音に敏感な赤ちゃんの眠りを妨げたり、勉強や仕事などに集中したい時に邪魔しません。
超音波式加湿器のデメリット
- カビや細菌、ミネラルを噴出するおそれがある
超音波加湿器は超音波で水を粒子にしますが、水を加熱しないので、その粒子にカビや細菌が含まれている可能性があります。部屋を加湿すると同時に、カビや細菌を飛散させてしまうおそれがあるのです。タンクの水をこまめに交換したり、フィルターをこまめにお手入れしたりしなければ、健康を害してしまうかもしれません。また、カビや細菌以外に、水に含まれるミネラルも放出します。
ミネラルを放出すると、部屋に置いてある物に水垢のような白い粉(ミネラル分)が付着し、デリケートな電子機器などが故障する原因になります。
超音波式加湿器をおすすめする人
赤ちゃんがいる家庭、自宅で仕事をする方は超音波式加湿器を選びましょう。
噴出口が熱くならず、常温の水を使う超音波式加湿器は、赤ちゃんが加湿器に触れたり、加湿器を倒したりしても、火傷する心配がありません。
第四章:ハイブリッド式加湿器の特徴とメリット・デメリット
ハイブリッド式加湿器の特徴
スチーム式、気化式、超音波式加湿器について先述しましたが、この中からいずれか2つを組み合わせたものをハイブリッド式加湿器といいます。
2つの加湿方式を採用することで、それぞれのメリットを活かし、デメリットを減らせます。
しかし、2つの加湿方式の組み合わせには、
スチーム式と超音波式(超音波で水を細かい粒子にし、ファンから風を送って加湿する)
の組み合わせしかなく、気化式と超音波式の組み合わせを採用している加湿器はありません。
これは、気化式と超音波式の特徴やメリットが似ているため、組み合わせるメリットがあまりないためです。
ハイブリッド式加湿器のメリット
- 室内の温度が下がりにくい ハイブリッド式加湿器は、内蔵しているヒーターで温風を発生させられるので、室内の温度を下げません。
- 衛生的 スチーム式を搭載しているハイブリッド式加湿器は、水を加熱するので、カビや雑菌などの繁殖を防ぐことができます。
- 節電できる 加湿器の中で、電気代が最も高いのがスチーム式加湿器ですが、ハイブリッド式加湿器なら、スチーム式と気化式、もしくは、超音波式を組み合わせているため、湿度や温度を感知して、自動でスチーム式から気化式、超音波式に切り替え、節電することができます。
ハイブリッド式加湿器のデメリット
- 手入れが面倒
2つの加湿方式を採用している分、構造が複雑で、他の加湿器よりも掃除しなければいけないパーツが多いです。
特に掃除が必要なパーツはフィルター。水を含んだフィルターにファンで風を送り、気化して加湿するため、フィルターに汚れが溜まりやすいです。掃除しなければ、カビや雑菌が繁殖してしまうおそれがあります。また、製品によっては、加湿用のフィルターだけでなく除菌用のフィルターを内蔵しているなど、性能が高い分、手入れするパーツが多く、面倒です。タンクのトレイやフィルターは、最低でも一ヶ月に一度は掃除するようにしましょう。 - 価格が高い
ハイブリッド式加湿器は、他の加湿器に比べて性能が高く、機能が多い分、価格が高くなります。
また、タンクの容量が大きくなればなるほど、価格が高くなります。加湿器以外の電化製品でも同じなので、これは仕方がないですね。
ハイブリッド式加湿器をおすすめする人
初期費用(購入費用)はかかってもいいので、ランニングコストを抑えたい方は、ハイブリッド式加湿器を選びましょう。
湿度が低い時はスチーム式でパワフルにスピーディーに加湿し、設定湿度を満たすと気化式、超音波式に切り替わるので、電気代を節約できます。
また、初期費用が高い分、構造もしっかりしていることはもちろん、「高い物を買ったんだから、しっかり手入れして、丁寧に使おう。」という気持ちも湧きます。
まとめ
スチーム式、気化式、超音波式、ハイブリッド式の4種類の加湿器の特徴とメリット・デメリットを紹介しました。
・加湿能力が高い
・衛生的
・お手入れが簡単
・電気代が高い
・噴出口に触れると火傷する
・安全性が高い
・電気代が安い
・運転音が大きい
・加湿するのに時間がかかる
・室温を下げる可能性がある
・お手入れに手間がかかる
・すぐに加湿できる
・コンパクト
・リーズナブル
・安全性が高い
・運転音が静か
・カビや細菌、ミネラルを噴出するおそれがある
・室内の温度が下がりにくい
・衛生的
・節電できる
・手入れが面倒
・価格が高い
それぞれの種類のメリット、デメリットをよく理解し、自宅の滞在時間や家族構成など自分のライフスタイルから、お気に入りの加湿器をみつけましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。