「風邪をひかないためには、室内の湿度をXX%以上に保つこと!」
「熱中症にならないためには、室温をXX度に保つこと!」というフレーズをよくみかけますが、
温度や湿度を調整して予防できることも多く、何の対策のためには、温度は何度がいいのか、湿度は何%がいいのか、ごちゃごちゃになりますよね。
そこで、風邪やインフルエンザ、熱中症、カビ、静電気の対策として、温度、湿度を調整して予防する方法を紹介します。
第一章:風邪やインフルエンザ予防のための室温と湿度
寒くなるとひきやすい風邪、そして、毎年11月から3月にかけて猛威を振るうインフルエンザ。
風邪やインフルエンザは、それぞれのウィルスを体内に取り込むことで感染します。
感染の予防法として、うがいや手洗い、マスクの着用、予防接種が有名ですが、その他に、部屋を適切な温度、温度に保つことが大切です。
ウィルスはもともと水分を含んでいるのですが、低温低湿(温度18度以下、湿度40%以下)の環境下では、水分が少なくなり、空気中の高い位置を浮遊しやすくなります。
つまり、私達の口や鼻、目などがある高さに、ウィルスが存在しているのです。
これでは、マスクをつけていても感染してしまいそうですよね。
そこで、ウィルスが床に落ちるように、室温を20~25度、湿度を50~70%に調整しましょう。
エアコンを使うと、部屋が乾燥してしまいがちなので、加湿器を使って調整してください。
エアコンではなく、石油ストーブやガスファンヒーターを使えば、燃料が燃える際に水蒸気が出るので、加湿器を使わなくても、高い湿度をキープできるかもしれません。
ウィルスが床に落ちれば、私達が立ったり、座ったりしていても、ウィルスを体内に取り込む確率はグンと下がります。
床に寝転がる習慣がある方は、床をこまめに掃除するようにしましょう。
第二章:熱中症予防のための室温と湿度
年々暑くなる夏。熱中症患者のニュースをよく見かけますよね。
高温、多湿、輻射熱(ビルの壁やアスファルトの地面などから放射される熱)がある、風が弱いという4条件のうち1条件でも満たせば、熱中症になりやすくなります。
私達ではどうしようもない、輻射熱がある、風が弱いという条件を除いて、高温、多湿対策をみていきましょう。
(1)高温対策
熱中症は、最高気温が25度を超える日に患者が出始め、30度を超える日には死亡者が出始めるといわれています。
気温が高い日は、屋外にいる時間をできるだけ短くしましょう。
また、屋外にいる間は、日差しを避けるために、日陰に入ったり、帽子を被ったり、日傘をさしたりしてください。
日焼け防止にもなりますよ。
室内で過ごすなら、エアコンで室温を調整しましょう。
冷房の設定温度は26~28度を基本にし、外の気温にあわせて、臨機応変に調整してください。
(2)多湿対策
気温が低くても、湿度が高ければ、汗が蒸発しにくくなり、熱中症になりやすくなります。
湿度が15%上がると、体感温度は1度上がり、逆に湿度が15%下がると、体感温度は1度下がります。
例えば、気温が25度でも、湿度が80%以上あれば、体感温度は30度になるということです。
気温があまり高くないのに、暑さを感じる場合は、冷房を使わなくても、湿度を下げるだけで、快適に過ごすことができます。
除湿機を使って、湿度が40~60%になるように調整しましょう。
第三章:カビ予防のための室温と湿度
パンが複数入った袋を買って開封したら、賞味期限内なのに、カビが生えていたということはありませんか?
カビが生えて、成長するためには、温度、多湿、栄養という3条件が揃うことが必要です。
言い換えれば、3条件のうちに1条件でも揃わなければ、カビは生えないのです。
条件ごとに、対策をみていきましょう。
(1)カビの生えない温度対策
一般的に、カビは0~40度の環境で繁殖することができますが、カビにとって特に20~30度の環境が快適です。
だからといって、「じゃあ、室温が20度未満か31度以上になるように、エアコンで調整しよう!」とは思いませんよね。
季節にもよりますが、私達が快適だと感じる室温は、18~25度といわれています。
私達が不快な思いをして、カビの繁殖を防ぐのは難しいですよね。
割り切って、温度の条件を満たすことは諦めましょう。
湿度、栄養のどちらかの条件を満たせばいいのです。
(2)カビが生えないように多湿対策
一般的に、カビは湿度が60%以上の環境で繁殖することができますが、カビにとって、特に湿度80%以上の環境が繁殖するのに最適です。
一年を通して、私達が快適だと感じる湿度は45~60%といわれているので、湿度の条件は満たすことができそうですね。
室内が多湿にならないようにするためには、空気を循環させることが大事です。
窓やドアを開けたり、換気扇を使ったりして、室内の空気を循環させて、湿気が一つの部屋にとどまらないようにしてください。
2003年7月に改正された建築基準法では、シックハウス(建材や内装材の揮発性有機化合物から発生する健康障害)対策として、住宅に24時間換気システムの設置が義務付けられました。
24時間つけっぱなしにしていると、電気代がかかる印象がありますが、24時間換気システムの一ヶ月の電気代は200円もしません。
節約のために、24時間換気システムをつけたり消したりするのではなく、ずっとつけっぱなしにして、空気を入れ替えましょう。
また、台所やお風呂場、トイレは湿気がたまりやすいです。というのは、湿気のもとである水分が常にあるから。お風呂場の水滴はしっかり拭き取り、使用後はトイレの蓋を閉めるようにしましょう。
カビはどこに生えていても嫌ですが、一番生えてほしくない場所は台所ではないでしょうか?
床に置くタイプの除湿剤を置いたり、除湿シートを台所マットの下に敷いたりして、台所の湿気を吸い取ってもらいましょう。
また、食器棚の中が食器でいっぱいだと、通気性が悪くなり、湿気がたまります。
食器棚だけでなく、食器にもカビが生えてしまうおそれも。
カビが生えていたら、カビを除去できたとしても、その食器を使う気分になりませんよね。
食器棚の中を整理して、中身を減らし、食器棚の中にある程度の空間を保つようにしましょう。
そして、ついついやりがちなのが、壁と密着させるように、食器棚を配置することです。
食器棚の背面や壁にカビが生えているかもしれません。
もし、カビが生えていたら、食器棚と壁を近付け過ぎているということ。
また、食器棚は壁から5cm以上離して置くようにしましょう。
5cmも離せないという方は、少なくとも3cmは離して、食器棚と壁の間に新聞紙を入れておくと、新聞紙が湿気を吸い取ってくれます。
新聞紙はこまめに交換してくださいね。
(3)栄養対策
食べ物はもちろん、浴槽などにも生えるカビ。
つまり、カビにとって、水分や垢、汚れなども栄養なのです。
普段からこまめに掃除すれば、カビの繁殖を防ぐことができますよ。
第四章:静電気予防のための室温と湿度
エレベーターのボタンを押す瞬間やドアノブに手をかけた瞬間、セーターやストッキングを脱ぐ瞬間にピリッとくる静電気。
静電気の発生には、湿度が大きく関係しています。
静電気は、湿度が25%を下回ると、特に発生しやすくなり、湿度が60%以上あれば、静電気はほとんど発生しないといわれています。
温度が25度を下回ると、静電気が発生しやすくなるともいわれていますが、湿度が60%以上あれば、静電気の発生を予防できます。
室内の湿度を60%目安に調整すると、静電気の発生を抑えられます。
しかし、屋外のエレベーターやドアなどは、自分で湿度を調整できませんよね。
このような場合には、ハンドクリームが有効です。
ハンドクリームを肌に塗ることで、肌の表面を保湿し、静電気の発生を防げますよ。
まとめ
風邪やインフルエンザ、熱中症、カビ、静電気の対策として、温度、湿度を調整して予防する方法を紹介しました。
- 風邪やインフルエンザ予防には 室温20~25度、湿度50~70%
- 熱中症予防には 室温26~28度、湿度40~60%
- カビ予防には 湿度45~60%
- 静電気予防には 湿度60%以上が効果的です。
トラブルごとに適切な温度や湿度を覚えておくのは大変だと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。