BBQを楽しむ上で欠かせない作業の一つである炭の着火。
男性が担当する場合が多いですが、
手間取っていると女性たちや子供たちから「まだつかないの~?」とプレッシャーをかけられてしまうこともあります。
そこで、あまり普段BBQをやらない方でもいいところが見せられるように、
簡単にできる炭の付け方や炭の入れ方、BBQを美味しく楽しむための炭の量と火力の関係をわかりやすく解説します。
炭の選び方と量
スムーズな炭の着火は、炭を選ぶところから始まります。
ホームセンターに炭を買いに行くと3kgで500円くらいのものから3,000円以上するような高級炭まで売られています。
選ぶ炭の種類によって特徴が異なるので注意しましょう。
黒炭
ホームセンターで「BBQ用木炭」として売られている3kg500円前後の炭のほとんどがマングローブ炭といわれる種類の炭です。
比較的簡単に炭がおこるため初心者にもおすすめですが、煙が多いことと燃焼時間が短いデメリットがあります。
着火剤と一緒に最初の火おこしに使用して、炭がおこったらこれから紹介する成形炭などに燃え移らせる、といった方法にも使えます。
火保ち ★☆☆
値段 ★★★
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成形炭
成形炭とは、おがくずなどを加圧成形して作られた炭のことです。
中心に穴が空いている四角形や六角形の形をしていることが多いです。
着火が簡単で、形や品質が均一なため、炭を並べやすく火力の調節もしやすいメリットがあります。
中でもオガ炭というオガクズを材料にした炭は、3kgで1,500円前後とマングローブ炭よりも値段ははりますが、
火保ちに優れ炭を頻繁に足さなくてもいいのでBBQにおすすめです。
火保ち ★★★
値段 ★★☆
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備長炭
知名度の高い備長炭は“ウバメガシ”という植物から作られている炭のことで、表面が白っぽいことから白炭とも呼ばれます。
火持ちが他の炭に比べて非常に長く、煙や匂いもほとんどないため、焼肉屋さんや焼き鳥屋さんなどでよく利用されます。
炭の中では高級品に分類され、安いものでも3kgで3,000円以上はします。
ただし、BBQでは着火しにくいため上級者向けといえます。
火保ち ★★★
値段 ★☆☆
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炭の種類によっても火保ちが異なりますが、
一般的にBBQで必要な炭の量は、1人1kgが目安になります。
例えば、家族4人でBBQを楽しむなら4kgほどの炭が必要になります。
炭の火の点け方のポイント
炭に火を点ける時には、ポイントをおさえておくだけで一気に時間を短縮させることができます。
以下の3つが非常に大切なポイントです。
空気の通り道を作る
炭をおこす時にはどうしても手っ取り早く火を付けるために炭をどんどん足してしまう人がいますが、
火は酸素が無いと燃えないため、十分な空気の通り道がないとせっかく点きかかった炭の火も消えてしまいます。
炭を並べる時には空気の通り道のためにすき間をあけて並べます。
少し火が大きくなってきても、炭が完全におこるまでは炭を足さないようにしましょう。
燃えやすいものから順番に
火は下から上へと上がっていきます。そのため炭を並べる時には、燃えやすい材料を下にして並べていきます。
例えば着火剤→わりばし→炭といった具合です。
炭を並べた後に着火剤を上に置く人がいますが、炭の上に着火剤を置いても着火剤が燃えるだけで炭には燃え移りません。
「煙突効果」で時間短縮
炭を並べる時には、横に並べるのではなく、縦に積み上げるように置くのがポイントです。
簡単な炭の点け方
では実際に簡単にできる3つの炭の点け方をご紹介します。
方法① 着火剤を有効活用
BBQの火おこしで失敗したくない時に使いたいアイテムが着火剤です。
あまりBBQの経験が無い方でも簡単に炭に火を点けることができます。
着火剤には、固形タイプとジェルタイプの2種類があります。
【固形タイプの着火剤の使い方】
所要時間 約20~30分
炭を並べる時には“人”の字を書くように並べて、空気が循環しやすくなるようにします。
もしあればすでに使った割り箸などを着火剤と炭の間に入れましょう。
火をつけて10分ほどは、うちわで扇いだりすると火が消えてしまう原因になるので何もしないようにします。
炭から「パチパチ」という音が聞こえてきたら完成です。
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【ジェルタイプの着火剤の使い方】
所要時間 約20~30分
着火剤を塗りつけた炭を、“人”の字を書くように並べていきます。
固形タイプに比べて火が付きやすいですが、燃え尽きるまでの時間が早いので、炭だけでなく割り箸や新聞紙も炭の下に入れておくと、失敗を防げます。
炭に火が燃え移る前に着火剤が燃え尽きてしまいそうになって、着火剤を上からかける人がいますが、
火がついた状態のところに着火剤をいれるのは非常に危険なのでやめましょう。
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方法② 炭と新聞紙だけで炭おこし
所要時間 約5~10分
着火材を忘れてしまったりした時にも、約5分で炭と新聞紙だけで火を点けてしまう裏技もあります。必要なのは木炭と新聞紙だけです。
BBQグリルの中央に棒状新聞紙をまとめて置いたら、その周りを丸く囲むようにして炭を立てて並べていきます。
さらにその上に炭で2段目を作り、最後新聞紙を覆うように炭を上に置きます。
炭でカマクラを作るイメージです。火種を中に入れたら、後は5分から10分待つだけで火がおこります。
テレビでも紹介された簡単な方法なのですが、
デメリットとして煙がかなり出るので、まわりに他のBBQをやっている人たちがいる場合などは注意しましょう。
実際に下の動画で、100年以上の歴史を持つ炭屋さんのお手本が確認できます。
方法③ 炭おこし専用の秘密兵器を活用
所要時間10~20分
「これから時々家族や友人たちでBBQをしたい」という人には、おすすめの炭おこし専用の道具があります。
これがあれば炭おこしの成功率がぐっと上がりますし、時間の短縮にもなります。
また普通は時間がかかる備長炭なども比較的短時間でおこすことができるのでおすすめです。
【チャコスタを使う】
下が網になっていて空気が下から上へと流れやすくなっているため、煙突効果で一気に炭を燃焼させられます。
折りたたんでコンパクトに収納できるものなら荷物としてもかさばりません。
価格は1,500円前後で何度でも使えるものなので、コストパフォーマンスにも優れています。
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【バーナーを使う】
ジェルタイプの着火剤と組み合わせることで、さらに火付けのスピードを早めることができます。
他にもBBQでピザを作って、表面にも焼き色を入れたり、炙り調理に使えたりと、1つ持っておくとBBQの幅が広がるアイテムです。
お値段も2,000円前後と手頃で、カセットコンロを交換しながら何度でも使用できます。
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BBQのコツ-炭の量で火力調整-
いざ火がおこったと思ったら、火力が強すぎてお肉が一気に焦げてしまったり、野菜が中まで火が通る前に焦げてしまったり、というのも“BBQあるある”かもしれません。
炭火は自宅のコンロとは違い、スイッチで火力を調整できるわけではないので、炭の量で火力を調節する必要があります。
オーソドックスな方法は、「スリーゾーンファイア」と呼ばれる方法です。
方法は簡単で、まずグリルの3分1は「強火ゾーン」で炭をできるだけ平らに2層に重ねていきます。
次に1層の「中火ゾーン」を作ります。そして炭を置いていないスペースが「弱火ゾーン」です。
スリーゾーンファイアを作ることで、お肉を焼く時にまず強火ゾーンで焼き色をつけてから中火ゾーンでじっくり焼いたり、焼きあがったお肉や野菜を弱火ゾーンで保温しながらキープしたり、なんていう使い方ができます。
最後に
BBQを楽しむ上でかかせない炭おこしですが、
ポイントをおさえておけば、初心者の人でも簡単に短時間で火を付けることができます。
今回ご紹介した方法を参考に子どもたちや女性たちの前で火おこしをさせてBBQを楽しみましょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。