突然、このようなことを聞くのも変ですが、毎日、順調に便を出していますか?
「今日は出なかったけど、昨日は出たからいいかな・・・」と、軽く考えがちですが、毎日排便しないと、便が腸に留まったり、硬くなったりして、便秘を引き起こしてしまいます。
便秘になると、肌に張りが無くなったり、ニキビができたり、肌が荒れたりするなど、肌のトラブルも起きやすくなります。
また、お腹が張るため、食欲が低下したり、イライラしたりという症状も。
便秘にならないように予防したり、「便秘かも・・・」と思ったら、早めに改善することが大切です。
便秘の原因、女性が便秘になりやすい理由、便秘の予防方法、便秘の改善方法を紹介します。
第一章:便秘の原因
便秘とは、便を順調に、思うように排出できない状態を指します。
数日間排便がない状態はもちろん、毎日排便があっても、量が少なかったり、残便感があったりする状態も、便秘と呼びます。
便秘になる原因は、主に3つあります。
1.腹筋の低下
運動不足により、腹筋が低下し、蠕動(ぜんどう)運動が十分に行われなくなります。
蠕動運動が十分に行われなければ、食べ物が腸の中をゆっくり移動することになり、腸の中の水分をたくさん吸収してしまいます。
結果、便が膨らみ、硬くなって、排便しづらくなるのです。
2.排便反射が起こらない
通常、便が直腸に達すると、脳から指令が送られ、便意を催します。
しかし、忙しくてトイレに行けない、外出先では恥ずかしくてトイレに行けないなどの理由で、排便を我慢していると、排便反射が正常に起こらず、直腸に便が留まってしまうのです。
3.副交感神経の興奮
腸の蠕動運動が活発になるのは、交感神経に比べて、副交感神経が優位にある時です。
緊張したり、不安があったりして、ストレスにさらされている状態が続くと、交感神経が優位になり、蠕動運動が十分に行われなくなるのです。
腹筋が低下していなければ、排便はありますが、ウサギの糞のように、小さくてコロコロした便が出ます。
排便の量が少なくなるので、残便感があります。
第二章:女性が便秘になりやすい理由
ドラッグストアに並んでいる便秘薬は、ピンク色のパッケージのものが多いですよね。
このことからも分かるように、男性に比べて、女性のほうが便秘になりやすいといわれています。
その理由は、4つあります。
1.女性は腹筋が弱い
子宮を守るために、女性はお腹周りに脂肪がつきやすくなっています。
男性に比べて、女性は腹筋が弱いため、便を体外へ排出する力も弱いのです。
2.黄体ホルモンの影響
女性ホルモンには、エストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモン、プロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンの2種類があります。
黄体ホルモンは排卵後から生理前にかけて分泌される、妊娠に備えて、身体を整えるホルモンです。
- 黄体ホルモンは、身体に水分を溜め込むように指示を出す働きがあります。体内に水分を蓄えようと、大腸が食べ物の水分を吸収し、便が硬くなるのです。
- 黄体ホルモンは、子宮の収縮を抑制する働きも兼ね備えています。この働きが腸の蠕動運動も抑制し、排便しづらくなるのです。
- 生理前に気持ちが落ち込んだり、イライラしたりしやすくなるのも、黄体ホルモンの影響です。先述したように、ストレスにさらされていると、腸の蠕動運動が十分に行われなくなります。
(3)無理なダイエット
運動をせずに、食べる量を減らすだけのダイエットをしていると、腹筋が低下するうえに、排便を促す役割をもつ食物繊維や水分が不足してしまいます。
(4)恥ずかしさによる我慢
個室トイレであっても、音漏れやにおいが気になって、排便をためらう女性も多いのではないでしょうか。
また、授業中や会議中に、「トイレに行きたい」と切り出せない女性も多いと思います。
先述したように、排便を我慢していると、排便反射が正常に起こらず、便秘になってしまいます。
第三章:便秘の予防方法
気軽に取り組める、便秘の予防方法を紹介します。
1.食生活を改善する
排便を促すためには、バランスのいい食事を摂ることが大事ですが、中でも、食物繊維と水分は欠かせません。
食物繊維は一日あたり20~25g程度摂取しましょう。
また、水分は一日あたり2リットル摂るようにしてください。
2リットルと聞くと多いように感じますが、これは飲料の他、食事に含まれている水分を含んだ摂取量です。
こまめに水分補給すれば、自然と摂取することができます。
食物繊維と水分を体内に取り入れることで、腸の蠕動運動が活発になり、食べたものが腸の中をスムーズに移動します。
(2)マッサージやツボ押しをする
お腹をマッサージしたり、便秘に効果のあるツボを押したりして、便秘を改善しましょう。
食べたものは、食道や胃を経て小腸に届きます。
小腸で必要な栄養素が消化されて、消化しきれなかった食べ物が大腸に移動します。
消化しきれなかった食べ物は便になり、直腸に移動して、最後に肛門から排出されます。
また、便秘に効果のあるツボはいくつかありますが、その中でも、簡単で、即効性のあるツボを紹介します。
合谷には、胃腸の調子を整える効果の他、頭痛やストレス緩和にも効果があります。
反対の手の親指と人差し指で挟んで、「痛いけど、気持ちいい」と感じる程度の強さで、3秒間程押してください。
個人差はありますが、即効性のあるツボなので、トイレに行った時に押すのがオススメです。
(3)生活リズムをつける
寝過ごしてしまったり、身仕度に時間が予想以上にかかってしまったりして、朝はバタバタしがちです。
慌ただしい朝を過ごしていると、便意があっても気付かなかったり、つい我慢したりして、便が腸に留まる時間が長くなり、硬くなって便秘になってしまいます。
便は朝食を摂って催す場合が多いので、朝食を抜かずに食べましょう。
また、朝食後には、15分程度のリラックスタイムを設けて、便意を逃さないようにするなど、毎日決まった生活リズムをつけてください。
一方、排便する生活リズムがない、且つ、便意を感じていない方がトイレに座っていきむと、排便できないのはもちろん、痔を引き起こす恐れがあります。
便意を感じなくてもトイレに座るという習慣は、排便する生活リズムをつけてからにするのが無難です。
(4)トイレに座る姿勢を見直す
「出ると思ったのに、出なかった・・・」という方も少なくないのではないでしょうか?
便意があるのに出ない方は、トイレに座る姿勢を見直しましょう。
背筋を伸ばしたり、後ろにのけ反ったりして座っていませんか?
実は、直腸肛門角(直腸と肛門の角度)は、寝ている時、のけ反っている時にはほぼ直角になっていて、便が簡単に出ないように工夫されています。
そのため、直腸肛門角を広げると、便が出やすくなるのです。
ロダンの「考える人」のような前屈みの姿勢をとると、直腸肛門角が120度まで広がるといわれています。
猫背にならないように、上半身全体を前に倒して座ってくださいね。
第四章:便秘の改善方法
身体に負担をかけないように、便秘を予防することが一番ですが、便秘になってしまったら、これ以上便が硬くならないように、便が留まらないように改善することが大事です。
便秘を改善するオススメの薬を、2つ紹介します。
(1)大正製薬 コーラック
胃ではなく、薬が腸で溶けるようにコーティングされています。
また、腸の蠕動運動を促したり、排便反射を刺激したりする効果のあるビサコジルが含まれています。
ビサコジルは、消化管の手術などで、腸の内容物を出す必要がある時に使用される成分。便秘に効果的だということがよく分かりますね。
また、激しい腹痛や吐き気に悩まされる方も少なくありません。
授業中や仕事中に、お腹が痛くなると困りますよね。
頑固な便秘をなんとかしたい時に、また、服用した後と翌日の2日間、自宅でゆっくり過ごせる、いつでもトイレに行けるという、余裕がある時に服用するのがオススメです。
(2)富士薬品 酸化マグネシウムE便秘薬
まとめ
便秘の原因、女性が便秘になりやすい理由、便秘の予防方法、便秘の改善方法を紹介しました。
食生活を改善することはもちろん、生活リズムを整えることは、便秘を予防するためだけでなく、充実した一日を送るためにも大切です。
また、マッサージやツボ押しは、身体や脳のリラックスにも繋がりますよ。
便秘薬を服用することをためらう方もいると思いますが、便秘になってしまったら、便秘が悪化しないように、早く改善する必要があります。
自分の生活にあった便秘薬を選びましょう。
初めて服用する場合は、規定の量よりも少ない量で試して、効果の有無を検証してください。
効果が無ければ、量を徐々に増やすなど、身体に負担がかからないように工夫しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。