ダイエットし始めてしばらくすると、便が出なくなり、ダイエットしているはずなのにお腹が張ったり、お腹がポッコリ出たりすることがあります。
便秘が続くと、中には、「便が出たら、体重がもっと減るのに・・・」と考えて、下剤を乱用してしまう危険なダイエット法に手を出す人も・・・。
健康的に便を出して、健康的に痩せたいですよね。
ダイエット中に便秘になりやすい理由と便秘の予防・改善方法を紹介します。
第一章:ダイエット中に便秘になりやすい理由
1.排便を促す栄養素の不足
ダイエットすると決めたら、まず、食事を制限する方が多いのではないでしょうか?
食事制限をすると、排便を促すのに必要な栄養素が不足します。
この必要な栄養素として有名なのは、食物繊維と乳酸菌ですね。
ダイエット中に野菜をたくさん食べたり、ヨーグルトを食べたりすることを、ダイエット関連本で推奨しています。
しかし、食物繊維と乳酸菌さえ摂っていれば、便秘を予防できるわけではありません。
実は、食物繊維や乳酸菌と同じぐらい欠かせない栄養素が脂質なのです。
「脂質」と聞くと、摂取すると太りそうなイメージをもっていませんか?
確かに、脂質を摂取しても、身体の中で使われなければ、中性脂肪になってしまいます。
また、肉類に含まれている動物性脂肪を摂り過ぎると、血中の酸素濃度が低下したり、消化吸収が悪くなったりするなど、身体に問題が生じます。
そのため、脂質が不足していると、便が腸の中に留まって、便秘を引き起こしてしまうのです。
2.便の材料の不足
食べ物から必要な栄養素を吸収した後に残るものが、便の材料になるのですが、食事制限をすると、材料が不足して、便を作り出すことができず便秘になります。
便を作り出すことができない状態が続くと、長い時間をかけて、身体が栄養を吸収するようになり、便秘になるだけでなく、悪玉菌が増えて、腸内環境を悪化させます。
やがて、腸内で有害物質や発がん性物質が発生し、免疫力が落ちてしまいます。
また、エネルギー代謝が落ちて、痩せにくい身体になってしまったり、生活習慣病を引き起こしたりするという弊害も。
痩せたくてダイエットしているのに、痩せられないなんて、本末転倒ですね。
第二章:ダイエット中の便秘の予防・改善方法
便秘を予防、改善する方法はいろいろありますが、その中でも、ダイエットの効果も得られる、一石二鳥の方法を5つ紹介します。
1.食物繊維を摂る
便秘になったら、食物繊維を摂るのは有名な話ですが、食物繊維には、水溶性食物繊維(水に溶ける)と不溶性食物繊維(水に溶けない)の2種類があるのはご存知ですか?
どちらの食物繊維にも、便秘を予防、改善する効果がありますが、細かい役割が異なります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維には、腸の中で水に溶け、便を軟らかくして、便を体外に排出する働きがあります。
副交感神経が興奮して、便が硬くなっている時に、特に効果的です。
便秘に効果がある他、食後の血糖値が急上昇するのを抑えたり、血中のコレステロール値を低下させたり、高血圧を予防したりする効果もあります。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水に溶けないため、腸の中で水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激して、腸の蠕動運動を盛んにする働きがあります。
腹筋が低下して、蠕動運動が十分に行われていない時に、特に効果的です。
その他、便と一緒に有害物質を体外に排出し、腸内の環境を整えてくれる効果があります。
食物繊維を多く含む食品は、噛みごたえがあるものが多いため、少量で満腹感を得られやすいです。
また、低カロリーのものも多いので、たくさん食べてしまったとしても、カロリーの過剰摂取にはなりません。
野菜は生のままでは、かさが多く量を摂ることができないので、煮たりゆでたりしてかさを減らしたほうが効率的に食物繊維を摂取できます。
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維をバランス良く摂取して、便秘を予防しながら、ダイエットしましょう。
2.乳酸菌を摂る
便秘対策として食べる方が多いヨーグルトですが、いつ、ヨーグルトを食べていますか?
朝にヨーグルトを食べる方が多いと思いますが、便秘対策としてヨーグルトを食べるなら、実は夜に食べるのがオススメです。
腸は22時~2時に最も活動するといわれており、この4時間に乳酸菌が腸内にたくさんあることで、腸内環境が整えられるのです。
また、腸内環境が整うと、老廃物が尿となって体外に排出されやすくなり、デトックス効果を得られます。
便秘を解消できるだけでなく、むくみを改善したり、新陳代謝を活性化したりすることができ、いいことずくめ。
ヨーグルトのカロリーや糖質を考えて、200gのプレーンヨーグルトを、寝る前に食べましょう。
3.脂質を正しく摂る
ダイエット中に制限しがちな脂質ですが、便をスムーズに移動させるために必要な栄養素です。
肉類や乳製品に含まれる動物性脂肪ではなく、オリーブオイルやエゴマ油に含まれる植物油脂を摂取しましょう。
野菜サラダのドレッシングをオリーブオイルやエゴマ油に替えるのが手軽でオススメです。
4.水分を摂る
むくみが気になって、水分を控える方が多いと思いますが、栄養素や酸素を身体の隅々まで運ぶために、また、腸内で便を移動させるために、水分は欠かせません。
一日に2リットルの水分を、飲料や食事から摂取しましょう。
2リットルと聞くと多いように感じますが、野菜中心の食事を摂り、意識して、こまめに水分補給をしていれば、水分の摂取量は2リットルに達します。
5.運動する
食事を制限するだけのダイエットより、適度に運動もするダイエットのほうが効果的です。
張り切って運動すると、運動後に空腹を感じてドカ食いしてしまう恐れがあるので、あくまでも「適度」に、気軽に取り組める運動を紹介します。
腹筋する
腹筋が弱いと、排便時にいきめません。
便意を催したらすくに排便できるように、腹筋を鍛えましょう。
まずは、起床時、就寝時に、ベッドで腹筋する習慣をつけてください。
特に就寝時の腹筋は、身体がリラックスするので、寝付きが良くなります。
ウォーキングする
ウォーキングと腸には何の関係もないように感じますが、背筋を伸ばして、歩幅を広くして歩くと、腸のまわりにある筋肉を使うので、腸の蠕動運動を活発にすることができます。
まとめ
ダイエット中に便秘になりやすい理由と予防・改善方法を紹介しました。
ダイエット中に便秘になるのは、排便を促すのに必要な栄養素が不足したり、便の材料が不足して、便を作り出せなくなったりすることが原因です。
中でも、食物繊維は低カロリーのものが多いので、ダイエットに最適です。
また、腸が活発に動く22時~2時の間に乳酸菌が腸に届いているように、寝る前にヨーグルトを食べるのもいいですよ。
食生活を改善したり、適度な運動を取り入れたりして、便秘を予防・改善しながら、ダイエットの効果も得ましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。