冬が近付くと、CMでよく見かける「パックリ割れ」。
ひびやあかぎれができた手を見ると、自分の手じゃなくても痛みを感じる方も多いのではないでしょうか?
実際に、手にひびやあかぎれができると、痛くて、日常生活に支障をきたします。
見た目も痛々しく、周囲の目が気になることも。
そこで、手のひび、あかぎれの原因、予防・改善方法を紹介します。
第一章:ひび、あかぎれとは
ひび、あかぎれについて、皮膚の構造を含めて紹介します。
(1)皮膚の構造
・表皮の下にあり、外部刺激を感知したり、体温を調整したりする「真皮」
・最も内側にあり、血管や神経などを保護する「皮下組織」
の三層です。
(2)ひび
「ひび」とは、皮膚に生じる亀裂を指します。
表皮や真皮にできる、細くて深い直線の切れ目で、出血を伴わない比較的軽い症状です。
(3)あかぎれ
「あかぎれ」とは、ひびより深い箇所で切れ、出血や炎症を伴う亀裂を指します。
つまり、ひびが悪化した状態があかぎれです。
あかぎれは、肌をカッターで切ったような見た目。
見た目が痛々しいのはもちろん、実際に、水が亀裂に入ったり、重い物を持って亀裂が広がったりすると痛みを感じます。
第二章:手のひび、あかぎれの原因と状況
手のひび、あかぎれの原因は、皮膚の乾燥です。
皮膚が乾燥している状態で、身体を曲げたり、伸ばしたりすると、弾力を失った皮膚が耐えられなくなり、亀裂が入ってしまいます。
普段、曲げ伸ばしが最も多い部位が手の指。
そのため、指の関節にひびやあかぎれができやすいのです。
では、皮膚が乾燥しやすいのはどのような状況なのか、みていきましょう。
1.冬
ひびやあかぎれは、特に冬に、手にできやすいです。
冬は気温が低く、また、空気が乾燥しやすい季節ですね。
気温が低い日が続くと、汗や皮脂が分泌されにくく、皮膚が乾燥しやすくなります。
また、寒い身体を温めようと、家事で使う水や入浴時に使う水の温度を上げがちです。
更に、空気が乾燥していると、皮膚の水分が空気中に蒸発し、皮膚が乾燥します。
(2)水仕事
CMを見れば分かるように、食器用洗剤や衣類用洗剤などの洗浄力はとても高く、これらの洗剤を手につけると、皮膚のバリア機能である「皮脂膜」が流れてしまい、皮膚が乾燥しやすくなります。
皮脂膜が流れた状態で、スポンジなどを使うと、皮膚とスポンジの摩擦により、皮膚がダメージを受けやすくなります。
つまり、肌のターンオーバーには合計1ヶ月程度かかりますが、皮膚がダメージを受けると、皮膚のターンオーバーが乱れます。
ターンオーバーが遅くなると、
古い角質細胞がたまって、角質層が厚くなったり、硬くなったりします。
逆に、ターンオーバーが早くなると、
皮膚に必要な脂質であるセラミドが十分につくられなくなり、皮膚がますます乾燥しやすくなります。
洗剤をよく使ったり、手洗いをよくしたりする看護師、調理師、理・美容師などの職業に就いている方、また、小さな子どもがいるお母さんは、ひびやあかぎれができやすいですね。
第三章:手のひび、あかぎれの予防・改善方法
日常生活でできるひび、あかぎれを予防するには、日常生活を通じて予防する必要があります。
また、ひび、あかぎれができてしまった場合、悪化しないように、早めに改善しなければいけません。
手のひび、あかぎれの予防・改善方法を紹介します。
1.洗剤を使う時には、ゴム手袋をはめる
洗浄力が高い洗剤は皮脂膜を流してしまいます。
洗剤を使う水仕事をする時には、ゴム手袋をはめましょう。
また、古いゴム手袋はかぶれやすいので、定期的に交換してくださいね。
2.水分をすぐに拭き取る
水仕事をしたり、手を洗ったりした後は、手の水分をすぐに拭き取りましょう。
手を濡れたままにしておくと、水分の蒸発と共に、皮膚に必要な水分も蒸発して、皮膚の乾燥を引き起こしてしまいます。
吸水性のある、柔らかいタオルで、優しく押さえるようにして、水分を拭き取ってください。
ゴシゴシ拭き取ると、タオルと皮膚に摩擦が起きて、皮膚を傷めてしまうので、注意してくださいね。
3.熱いお湯を使わない
熱いお湯を使うと、皮膚の保湿成分がお湯に溶けてしまいます。
お湯を使う場合、浴槽にお湯をためる場合は、40度以下に温度設定しましょう。
4.部屋の乾燥を防ぐ
部屋の湿度が低いと、皮膚の乾燥が進みやすくなります。
特にエアコンをよく使う冬は、加湿器を使って、50%程度の湿度を保てるように調整しましょう。
5.保湿する
皮膚の乾燥を防ぐためには、保湿ケアが欠かせません。
水を使った後は、水分を拭き取り、ハンドクリームなどの保湿剤を塗りましょう。
ハンドクリームは、血行を促進する働きのあるビタミンが配合されているものがおすすめです。
血行を促進すると、皮膚のターンオーバーを整えることができます。
また、敏感肌の方、既にひびやあかぎれができている方には、ワセリンがおすすめです。
赤ちゃんの肌にも使えるワセリンは刺激が少なく、安心して使用できます。
ワセリンを薄く伸ばして塗るだけで、肌に膜ができるので、水を使っても、肌に直接水がつかず、皮膚の水分が蒸発することがありません。
6.バランスのいい食事を摂る
肌の調子を整えるためには、バランスのいい食事を摂ることが基本です。
特に、皮膚に関わる栄養素は積極的に摂りましょう。
皮膚に関わる栄養素には、次のようなものがあります。
タンパク質
肌に欠かせないコラーゲンは、タンパク質とビタミンCでできています。
つまり、タンパク質は皮膚をつくるために必要な栄養素です。
肉類、魚類、乳製品などに含まれる「動物性タンパク質」、大豆などに含まれる「植物性タンパク質」をバランスよく摂りましょう。
ビタミンA
ビタミンAは、皮膚を修復したり、健康的な皮膚を保ったりするために必要な栄養素です。
鰻やニンジン、ほうれん草などに多く含まれます。
ビタミンC
ビタミンCは、脂性肌、乾燥肌などの肌質を問わず、肌をダメージから守ってくれる栄養素。
コラーゲンの生成を促進して、シワを減らしたり、シミやニキビ跡などを薄くしたりする効果も期待できます。
また、身体を温めて、血行を促進するために、生姜湯やスープなどを飲むのもおすすめです。
食事だけで、タンパク質、ビタミンA、ビタミンCなどを十分に摂取できないなら、サプリメントを活用するといいですよ。
7.ひび、あかぎれ専用の薬を使う
ひび、あかぎれは傷ができているのと同じです。
ひび、あかぎれになったら、早めに皮膚科を受診したり、専用の塗り薬を使いましょう。
放っておくと、傷口から細菌感染して、悪化するおそれがあります。
市販薬を使うなら、「池田模範堂 ヒビケア軟膏a」がおすすめです。
ヒビケア軟膏aには、
皮膚を修復するアラントイン
strong>肌細胞を修復する<パンテノール
血行を促進して、皮膚の回復を早めるトコフェロール酢酸エステル
が配合されています。
ひび、あかぎれになった患部に、一日数回塗るだけです。
購入する時は、量に対して、価格が少し高いように思いましたが、短期間で効果があったので、購入して良かったです。
保湿成分のグリセリンが含まれていますが、ヒビケア軟膏aは薬なので、ハンドクリーム代わりに使わないようにしてくださいね。
まとめ
手のひび、あかぎれの原因、予防・改善方法を紹介しました。
乾燥しやすく、熱いお湯を使いがちな冬、肌にダメージを与えやすい水仕事は、特に注意が必要です。
加湿、保湿をしたり、ゴム手袋などで水から手を守ったり、皮膚に関わる栄養素であるタンパク質、ビタミンA、ビタミンCを摂ったりして、びびやあかぎれにならないように予防しましょう。
ひびやあかぎれは傷と同じですが、軽い切り傷程度に考えて放っておくと、悪化するおそれがあります。
早めに皮膚科を受診したり、専用の塗り薬を使ったりしてくださいね。
ひび、あかぎれに気をつけて、スベスベの手で、冬を楽しく過ごしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。