お母さんが風邪をひいたら、子どもに風邪がうつってしまった。
逆に、子どもが風邪をひいたら、お母さんに風邪がうつってしまったということはありませんか?
鼻水で鼻がつまったり、咳をしたりしている子どもを見ると、「代わってあげたい!」と思うお母さんもいると思いますが、お母さんが風邪をひくと、育児や家事に追われて休む時間がなく、なかなか治らないことも。
子どももお母さんも風邪をひかないのが一番ですが、風邪をひいてしまったら、うつし合いしないように気を付けたいですよね。
そこで、風邪ウィルスの主な感染ルート(飛沫感染、接触感染、空気感染)ごとに、感染させない方法、感染しない方法を紹介します。
第一章:飛沫感染を防ぐ方法
風邪をひいている人が咳やくしゃみをすると、唾液が1~2メートル程飛んで落下するといわれています。
この唾液に含まれているウィルスが喉や鼻に入って、風邪がうつることを飛沫感染といいます。
飛沫感染させない方法、飛沫感染しない方法をみていきましょう。
(1)マスクをつける
ウィルスの大きさは直径0.1マイクロメートルで、マスクの網目より小さいので、マスクでウィルス自体の侵入を防ぐことはできません。
しかし、咳やくしゃみでウィルス飛沫する唾液は5マイクロメートル程の大きさなので、唾液はマスクを通ることができません。
つまり、マスクをつけることは、咳やくしゃみの飛沫感染にとても有効なのです。
マスクの表面に触らないように気を付けて、ビニール袋などに入れて密封し、すぐにゴミ箱に捨ててください。
息苦しいし、喋りにくいし、マスクをつける理由が分からないので、マスクを嫌がるのは当たり前ですよね。
だからといって、風邪をひいているのにマスクをつけなかったら、家族やお友達にウィルスをまき散らしてしまいます。
1. マスクをつけるきっかけ
2. マスクそのものの魅力が大切です。
お父さん、お母さんがマスクをつけていたら、「自分だけ仲間はずれだ!」、「お父さんやお母さんの真似をしたい!」と思うようになるかもしれませんね。
大人がつけるマスクは無地のものでもいいですが、子どもがマスクに興味をもつためには、子どもが好きなキャラクターや柄のマスクを使うこと。
マスクを手作りできるなら、キャラクターのガーゼ生地を買って、もし、手作りできないなら、市販のマスクに、キャラクターのボタンやワッペンをつけるなどして、子どもに喜んでもらいましょう。
100円均一にも、キャラクターのマスクが3枚組で売っています。
割高に感じるもしれませんが、マスクに興味をもつ、マスクをつけるようになるまでは、子どもが好きなマスクを用意してあげましょう。
(2)食事やお風呂の時間をずらす
食事中に、「野菜も食べようね」「よく噛んで食べようね」など、子どもに声をかけるお母さんも多いと思います。
また、「おいしい!」「おかわり!」など、子どもも喋りますよね。
このような会話でも、ウィルスを含んだ唾液が飛びます。
だからといって、食事中に、子どももお母さんもマスクをつけるわけにいきませんよね。
子どもとお母さんのどちらかが風邪をひいている間は、一緒に食事をとらないようにしましょう。
子どもが食事している間、お母さんはマスクをつけて声をかけ、子どもが昼寝している間に、お母さんが食事するなどの工夫をしてください。
別々に食事するのは寂しく感じると思いますが、風邪が治るまでの辛抱です。
また、入浴時もマスクをつけることはできません。
子どもと一緒に身体や髪を洗っていたお母さんは、子どもが昼寝している間に、自分の身体や髪を洗っておきましょう。
そうすれば、子どもをお風呂に入れる時に、お母さんだけマスクをつけることができます。
第二章:接触感染しない方法
風邪をひいている人が触った物を触り、ウィルスが口や鼻、目などに入って、風邪がうつることを接触感染といいます。
接触感染させない方法、接触感染しない方法をみていきましょう。
(1)手洗いする
料理や食事などで手を使う前に、石鹸を使って手を洗えば、ウィルスを殺菌したり、洗い流したりできます。
風邪に関係なく、子どもが手洗いを習慣づけることは大事です。
また、習慣づけをしていないお母さんは、接触感染の予防を兼ねて、取り組んでみてはいかがでしょうか?
(2)アルコール消毒する
外出先では、手を洗う場所がなかったり、清潔な環境が整っていなかったりすることもありますよね。
このような場合には、アルコール消毒が有効です。
また、風邪をひいている人が触った箇所にはウィルスが付いています。
特に、子どももお母さんも繰り返し触るドアノブや取っ手は要注意です。
ドアノブを石鹸で洗いたいところですが、ドアノブは洗えませんよね。
洗えない物はもちろん、洗えるけれども洗うのが面倒なおもちゃなども、アルコールが含まれているウェットシートなとで拭き取りましょう。
(3)物を共有しない
タオルや布団、食器などにはウィルスが付きやすいです。
洗濯物が増えてしまいますが、タオルは別々にして、こまめに取り替えるようにしましょう。
また、食事の取り分けをする際に、お母さんの箸を使ったり、子どもの食事の残りを、子どものスプーンやフォークで食べたりしがちです。
洗い物が増えてしまいますが、どちらかが風邪をひいている場合は、食器の共有は控えましょう。
第三章:空気感染しない方法
飛沫感染の項目で先述したとおり、咳やくしゃみをすると、唾液が1~2メートル程飛びます。
飛んだ唾液は、通常床に落ちるのですが、湿度が低い、乾燥している場所では、この唾液の水分があっという間になくなり、「飛沫核」と呼ばれる微粒子になります。
飛沫核はとても軽いので、空中に約30分間滞在します。
そのため、風邪をひいている人と会話したり、食器を共有したりしていなくても、同じ部屋にいるだけで感染してしまうのです。
空気感染させない方法、空気感染しない方法をみていきましょう。
(1)加湿する
ウィルスは温度が15度以下、湿度が40%以下になると活発化します。
室温は20℃前後、湿度は50%以上になるように、エアコン、加湿器を使って調整しましょう。
(2)換気する
風邪をひいている人がいる部屋の中は、空気中や床などにウィルスがたくさんいます。
窓を開けて、こまめに空気を入れ替えをしましょう。
(3)寝る体制を工夫する
子どもと同じ部屋で寝たり、子どもと同じ布団で寝たりしているお母さんも多いと思います。
子どもが風邪をひいていても、お母さんが風邪をひいていても、寝る時に子どもにマスクをつけてもらうのは大変。
お母さんがマスクをつけて寝ましょう。また、子どものほうに顔を向けて寝ないことも大切です。
まとめ
風邪ウィルスの主な感染ルート(飛沫感染、接触感染、空気感染)ごとに、感染させない方法、感染しない方法を紹介しました。
マスクを嫌がる子どもは多いと思いますが、子どもが風邪をひいていたら、幼稚園や小学校などの先生から、マスクをつけるように指示されます。この機会に、マスクに慣れてもらいましょう。
ウィルスが付きやすいタオルや布団、食器などを共有しないことも大事です。洗い物が増えて大変ですが、こまめに取り替えたり、別々のものを使ったりするようにしましょう。
子どもが風邪をひくと、外に遊びに出かけられなくなります。
また、お母さんが風邪をひくと、育児や家事に追われて休む時間がないので、なかなか治りません。
「どちらかが風邪をひいたら、もう片方も風邪をひいて当たり前!」と割り切るのではなく、うつし合いしないように気をつけて、毎日を楽しく過ごしましょう。