在宅での看取りとは、「最期の時をご自宅で迎えたいご本人の想い」と「ご自宅で迎えさせてやりたいというご家族の想い」とで成り立ちます。
ご本人は在宅での看取りを決めたときに、「積極的治療はしない」「医療機関に居る安心感より、住み慣れた我が家」を選ばれていすのです。
そのご本人の想いに答えようとご家族は「負担が増えるけど頑張ろう」「出来る限りのことをしてやろう」と決断されます。

この時にご本人は、ある程度辛いこと・痛いこと・身体がだることなどは覚悟されています。だから、ご家族は、少しでも辛くないように痛くないようにだるくないようにとご本人のことに気をやむのです。

お互いにそういう想いで在宅での看取りを始めたのですが、ご本人が苦しそうにしている時や最期の時に慌てて救急車を呼んだりしては、
お互いの想いが台無しになってしまします。どういう状況になってもご家族は冷静に対処するように心がけましょう。

具体的には、何かあった場合は「訪問看護師」や「かかりつけ医」にまず連絡を取る意識を持ちましょう。
看護師や医師に連絡をし、救急車が必要ならちゃんと指示してもらえますので心配しないでください。

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在宅での看取りの場合の死亡診断書

世間では、まだ以下のような誤解をしている人が多くいます。
×「在宅で亡くなったら警察の連絡をする。」
×「在宅で亡くなったら警察が来る。」
×「医師が24時間以内に診察をしていなければいけない。」
などです。

意外にも、医師も知らないケースがありますので注意しましょう。
これは、医師法の第20条、および同ただし書、21条を誤解や混同から生じていると言われています。

平成24年8月31日付けで 厚生労働省医政局医事課長が
医師法第 20 条ただし書の適切な運用について(通知)」を通達として
出さないといけないくらい間違って解釈している医師もたくさんいたということです。

医師法第 20 条ただし書の適切な運用について(通知)はこちらから

この通達が出されたのは、つい5年まえの話しです。
現在、訪問医療にたずさわる医師はほとんどご存知のはずですが、ご家族も在宅で看取りをするうえで絶対に知っておいて下さい
(医師でも知らない人がいると未だに言われます。ケアマネージャーや自治体のケースワーカーなど知らないことも考えられます。
また、ご兄弟やご親戚の方が知らないのは当たり前です。その時にご家族としてちゃんと対応しなければ、大慌てになるケースもあります)

では、医師法第20条ただし書とはどういう内容のものかというと
1.診療中の患者が診察後24時間以内に患者がその病気やその病気に関連した傷病で死亡した場合は、再度診察をしなくても死亡診断書を交付出来る。
  また、24時間以上たっている場合でも、再度診察を行い、生前に診察していた病気やその病気に関連した傷病での死亡であると判断出来る場合は死亡診断書を交付することが出来る。

2.診療中の患者が死亡した後、再度診察し、生前に診療していた傷病に関連しする死亡であると判定できない場合には、死体の検案を行う。
  この場合、死体に異常があると認められる場合は、警察に届けなければならない。
というものです。

医師は、24時間以内に診察していれば「死亡しました」って聞いただけで死亡診断書を書けるということです。この場合、死亡時刻は訪問看護師やご家族から信頼できる情報を得られれば、参考にしてもよいとされています。

また、診察から24時間以上過ぎていたとしても、医師が再度診察をし、かかっていた病気で死亡したと判断できた時は、死亡診断書を書けるということです。

ここで、死亡の確認についてですが
現在の法律では死亡について明確な定義がありません
死亡の定義は学説によるものとなっています。

「三兆候説」という方法がとられます。
よくテレビなどで見るあれです。

学説的に言いますと
「呼吸の不可逆的停止」
「心臓の不可逆的停止」
「瞳孔拡散(対光反射の喪失」
この3つの兆候をもって死亡したのもとする。

というふうに難しい書き方になりますが、
要は、呼吸と心臓の停止それに瞳の対光反射がないということです。

在宅での看取りを推奨している厚生労働省は、今後の増加を見越して
法医学等に関する一定の教育を受けた看護師が医師と連携して死亡確認を出来る方向にという話しもあるみたいです。

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在宅での看取りで救急車を呼ぶとどうなる?

在宅での看取りの目的は、積極的な治療をせず、住み慣れた自宅で穏やかに息を引き取つこと、送ってやることです。

ところが、救急車を呼ぶとご本人が生きておられれば、救急隊員の人達は必死になって患者を助けようとします。(それが、お仕事ですから)
救急隊員の人達は助ける為に処置をし、搬送先の病院を捜し、搬送します。

また、ご本人が亡くなっていれば、警察に連絡をします。(これは、救急隊員の義務です)
救急隊員が来られた時点では死因がはっきりとしていないので警察への通報が義務付けられています。

これらのことは至極当たり前のことで、普段の私たちの生活ではとてもありがたいことです。

ただ、在宅での看取りの場合に限って言えば、救急車を呼ぶことで、ご本人の希望もご家族の希望も叶えられなくなることがあります。
ご本人の急変時の対応は、事前にかかりつけ医や訪問看護師と十分話し合っておいてください。

不用意に救急車を呼んだ為に、後々大変なことにならないように、十分注意してください。

在宅での看取りで警察が!

救急車を呼び、その時点でご本人が亡くなっていた場合、警察が数名で来て検死を行います。
ここで、警察にかかりつけ医がいて在宅で看取りをしていたと言ってもダメです。
警察には警察のやり方があり、ご本人が飲んでいた薬をあらためられたり、通帳の提出を求められたり、挙句に親族関係や事情を聞かれ、家の構造を確認されてやっと4~5時間後に不審な点はないと確認された。
と言う方もおられます。(これも、警察のお仕事です)

在宅での看取りでなければ、これもまた至極当たり前のことで、警察が市民の安全を守っていただいているので私たちは安心して暮らせているのです。

まとめ

在宅で看取りをする場合、現行では色々なルール(決まり事)があり、救急車一つ呼ぶことでも慎重にならざるを得ません。
専門家である「かかりつけ医」や「訪問看護師」とよく話しを聞かれご家族も十分な知識を付けることが大切です。

ご本人の急変時や判らないことが出てきたら、
まず、訪問看護師に連絡をすることをお勧めします。

ご家族が冷静に判断しているつもりでも、当事者なので冷静さを欠いたり、判断の材料を見落としたりすることもあります。
訪問看護師は医療の分野だけではなく、生活介助なども行ってもらえるので関わることも多くご本人のことをよく理解してくれています。家族にとってとても助けになります。

これから、法律や医療制度などもどんどん変わっていくと思います。
数年先、十数年先には、救急車や警察の問題も改善されていると思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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