在宅で看取り最期の時、かかりつけ医が死亡確認をします。
かかりつけ医が死亡確認をした後、訪問看護師とエンゼルケアを行います。
エンゼルケアは死後硬直が始まる前、2から3時間前に終えます。

在宅の場合ご家族も一緒にすることが多く、ご家族の最後のふれあいの場となります。
また、ご家族がエンゼルケアをともにすることでご本人の死を受け入れ、グリーフケアにもつながります。

グリーフケアの説明はこちら

また、先日、母を自宅で看取った経験者として経験談なども綴りました。
悩んでおられる方の、少しでも参考になりましたら幸いです。
また、ご質問や、お困りのことが御座いましたら「お問合せフォーム」から連絡ください。
微力ながらお手伝いできることがあるかも知れませんので。

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1エンゼルケアの目的

エンゼルケアの目的には下記の3つがあります。

患者の尊厳を守る
闘病生活で点滴やドレーン(尿を排出する管)などが挿入されていたりします。
また、長い間入浴できなかったり着衣が汚れていることもあります。
人生の最期にそのような姿で旅立たなければならないのは、人間としての尊厳を守ることはできません。
人生の最期にご本人がご本人らしくいられるように、身体を綺麗にし着衣を整えるのです。

家族の心のケア

闘病生活により頬がこけたり、場合によっては黄疸が出たりしてご本人とは違う容貌になってしまいます。
ご家族にとってご本人とはかけ離れた外見になった場合、死をなかなか受け入れられなかったりします。
エンゼルケアをすることにより、ご本人らしい外見に整えることでご家族の心のケアをすることができます。
また、家族と一緒に清拭(体を拭くこと)をしたり、着替えなどをすることで
ご家族が「最後に自分たちで送ってあげられた」とご本人の死を受け入れられるきっかけになり、グリーフケアにもつながります。

感染症の予防
ご本人の鼻腔や口腔、挿入物が入っていたところから血液や体液が漏出して、ご家族などに付着し、感染させる可能性があります。
また、病原微生物の飛散を防ぎ、ご家族や親しい方への感染を予防します。

在宅におけるエンゼルケアの方法・手順

1.「スペース」を作る
ご家族がご本人の近くに来るスペースを作る。

2.排泄物の処理
腹部を圧迫して、尿や弁を出します。胃に内容物がある場合は横向けにし胃を圧迫して内容物を吐かせます。

3.口腔ケア
口腔は周期が出やすいので、歯ブラシやガーゼ、スポンジ等で手早く行います。
また、義歯のある人は口腔ケア後装着させてください。

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4.全身の清拭と陰部の洗浄
全身の清拭と頭髪の洗浄、陰部の洗浄を行います。
頭髪の洗浄や陰部の洗浄には、紙おむつを下に敷きペットボトルなどでお湯をかけ洗浄します。
(今の紙おむつは1000ccくらいなら全て吸ってしまいます)
この時、肛門や鼻腔などからの体液の流出を防ぐために脱脂綿(青梅綿)を詰めます。
病院では、脱脂綿を詰めずに冷却したり体液漏出防止用ゼリーを用いることもあります。

5.着替え
ご家族が用意した服に着替えさせます。
日本の文化で遺体の浴衣は左前に着せます。また、帯は縦結びにするのが一般的です。

6.エンゼルメイク
髪型を整え、メイクをします。男性はひげも剃ります。
乳液等でしっかりと保湿しておくと顔色が良く見えます。
男性でも顔色の悪い時には薄くファンデーションなどを塗ります。
また、女性の場合は生前の好みなどもありますのでご家族はその旨伝えるようにしましょう。
在宅で行う場合は、ご家族の誰かがメイクをされても良いでしょう。

7.合掌
胸の上で手を組ませ、左の親指が身体に着くように合掌させます。

訪問看護師が主となって上記のようなことをしてくれます。
ご家族はサポートをしながら、ご本人とご家族の最後のふれあいの時間を過ごされてはいかがでしょうか!

私の場合、生前男性に清拭とかされるのを嫌がっていたので、
妻と娘と姪の3人がエンゼルケアを行い、娘がエンゼルメイクをしました。
3人ともエンゼルケアを一緒にさせてもらい「凄く良かった」と言ってました。
また、葬儀の時などに「良い顔だ」と言ってもらう度に娘は 嬉しそうにしていました。
娘にとって、かけがえのない経験をさせてもっらったと思います。

在宅でのエンゼルケア注意点

1.ご家族はエンゼルケアを一緒にしましょう。
「看護師さんに言われてやってみたら、とてもよかった」と言う声も多くあります。
現にエンゼルケアに参加した3人ともが良かったと言ってます。
エンゼルケアが、「最後まで看取れて良かった」とか「頑張ってきて良かった」と看取りの実感になるみたいです。

2.慌てずに、エンゼルケアが終わるまで、親戚とかへの連絡は控えましょう。
特にご近所におられる場合は注意が必要です。
ご本人も頬がこけたり、やつれたお顔を見られたくないと思います。
また、感染症の予防の意味合いもありますので、来ていただくのはエンゼルケアが終わってからにしましょう。
エンゼルケアは在宅での看取りの最後のふれあいの場となります。
ご家族が、ゆっくり落ち着いて出来るようにしましょう。

親戚や葬儀社に連絡をすると、葬儀社との打ち合わせや来訪者への挨拶などとご本人に近しい人ほど慌ただしくなります。
そういう意味でもエンゼルケアは大切な儀式ととらえて貰っても良いと思います。

まとめ

エンゼルケアは感染予防の意味合いもありますが、それよりは、ご本人とご家族の最後の大切な儀式です。
ご家族は積極的にエンゼルケアに参加しましょう。
清拭してあげるのも良いですし、洗髪をしてあげるもの良いです。
また、エンゼルメイクをしてあげるもの良いです。
とにかく、少しでも参加されることをお勧めします。
ご本人も、その方が喜ばれると思います。

最後に、在宅の場合かかりつけ医の都合とかで死亡診断が遅れる場合があります。
死後硬直は、早い人で1時間後くらいから、通常2から3時間後から始まると言われています。
その場合、直ぐにエンゼルケアを始めた方が良いとされています。
かかりつけ医と「死亡診断がすぐにできない場合はどうするのか」を事前に相談しておく必要があります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
こちらも参考にしてください。
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