「秋分の日」と聞くと、秋の大型連休であるシルバーウィークを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
この秋分の日をただの祝日だと認識している人が多いと思いますが、秋分の日にはちゃんとした由来や歴史が存在します。
今回は、秋分の日の由来や歴史に加え、秋分の日がなぜあるのかをご紹介いたします。
秋分の日の由来と歴史
秋分の日は、旧暦である太陰太陽暦で季節を表すために使用されていた「二十四節気」の一つのことです。
二十四節気は、太陽の見かけ上の通り道である黄道上の動きを15度ごとに24等分して決められています。
秋分の日は戦前の祝日であった「秋季皇霊祭」に由来しており、当時は歴代の皇族方の御霊(みたま)を祀る宮中の儀式でしたが、戦後の制度改革で現在の秋分の日として改められました。
秋分の日はなんのためにあるのか
以前は皇族方の御霊を祀る儀式だったため、庶民にはあまり馴染みのない日でしたが、戦後の制度改革によって秋分の日と改められてから、庶民の間にも先祖の霊を供養する“お彼岸”として定着しました。
現代でも、秋分の日には先祖の霊を供養するためにお墓参りやお寺参りに訪れます。
秋分の日は本当に昼と夜の長さが同じなの?
皆さんは学校で「秋分の日は昼と夜の長さが同じである」と教わったと思いますが、本当に昼と夜の長さは同じなのでしょうか。
理論上では秋分の日に昼と夜の長さは同じになると考えられますが、実際には昼の時間のほうが長いことが分かっています。
【参考】質問3-3)春分の日・秋分の日には、昼と夜の長さは同じになるの?/国立天文台
秋分の日の決め方
秋分の日は国民の祝日として周知されていますが、実はその日は毎年決まった日ではないことにお気づきでしょうか。
毎年秋分の日は国立天文台が発行する「暦象年表」元に、政府が決定しています。
秋分の日を決めるのに使用されるのが、先ほどご紹介した二十四節気です。
この二十四節気で第16番目の節気である「秋分」にあたる日を、毎年秋分の日として国民の祝日になります。
ゴールデンウィークは毎年必ずやってきますが、秋の連休であるシルバーウィークはその年によって平日をはさむことがあるのはこのためです。
毎年秋分の日は施行年の前年に閣議決定され、2月の第一平日付の官公に公告されます。
秋分の日を子供へ説明する方法
秋分の日は大人でも“知らずと法律によって決められた祝日”という認識でしかないことが多いため、子供に「秋分の日ってなぁに?」と聞かれると答えに詰まってしまう大人が多いのではないでしょうか。
子供の質問に正しく、それでいて分かりやすく答えられるように、子供への秋分の日の説明の仕方をご紹介いたします。
分かりやすい秋分の日の説明の仕方
秋分の日は、もともとは天皇皇后・皇族方の御霊を祀る儀式「秋季皇霊祭」という名前だったけど、戦後に先祖の霊を供養する日である「秋分の日」として改められた。
秋分の日には、おじいちゃんやおばあちゃんのお墓参りをしたり、お坊さんに来てもらってお経をあげてもらうことで、先祖の供養をする日なんだ。
秋分の日に子供と一緒にできること
これまでお話ししてきた通り、秋分の日は先祖供養を行う日です。
そのため、子供と一緒に秋分の日には先祖のお墓に参り、自分たちの近況を報告しながら墓石の掃除を行いましょう。
お墓に参ることも大切ですが、やはり先祖を忘れずにいることというのが一番大切なことなのではないでしょうか。
まとめ
秋分の日は、旧暦で使用されていた「二十四節気」で秋分にあたる日が毎年秋分の日となるため、毎年決まった日になるとは限りません。
もともとは皇族方の儀式でしたが、現代では先祖の供養を行う国民の祝日として定着しています。
秋分の日が法律によって特定の日になると決まっていないというのは意外だったのではないでしょうか。
これを機会に、今年の秋分の日は先祖の供養をしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。