朝や昼では、赤ちゃんが泣いて気分転換することができますが、夜の赤ちゃんのお世話では、孤独に感じているお母さんも多いのではないでしょうか?
夜中に赤ちゃんが起きて泣くと、ストレスや疲れがたまってしまいます。
そこで、赤ちゃんが夜泣きの理由とその対策を紹介します。
また、モロー反射やおくるみの効果についても併せて紹介します。
第1章:赤ちゃんが目を覚まして泣く理由、解決方法
脳や身体の成長を促したり、肉体的、精神的な疲れを取ったりする睡眠は、赤ちゃんにも、お母さんにも欠かせません。
睡眠には、レム睡眠(脳は起きていて、身体は眠っている)とノンレム睡眠(脳も身体も眠っている)の2種類があります。
赤ちゃんにはしっかり睡眠をとってほしいと考えているお母さんが多いと思いますが、生後間もない赤ちゃんはレム睡眠の割合が多く、ちょっとした理由で目を覚ましやすい状態です。
赤ちゃんが目を覚まして泣く理由、解決方法を紹介します。
(1)お腹が空いている
赤ちゃんは大人よりも代謝が良く、胃が小さいので、短時間でお腹が空いてしまいます。
母乳の場合は、3時間程度で空腹を感じるといわれており、3時間ごとに目を覚まし、泣いて空腹を知らせる赤ちゃんが多いのです。
生後間もない赤ちゃんは、おっぱいを上手に吸う力がなく、吸っている間に疲れて、途中で寝てしまいます。
そのまま寝てしまうと、満腹になる前に、授乳を切り上げることになり、またすぐにお腹が空いて起きてしまうという悪循環に陥ります。
赤ちゃんが授乳の途中で寝てしまう場合は、足の裏を刺激して起こし、しっかり飲ませましょう。
母乳にこだわりがないお母さんは、母乳よりも腹持ちがいいといわれている粉ミルクを併用するのもいいですよ。
(2)オムツを交換してほしい
レム睡眠のような浅い眠りの最中に、暑さや寒さを感じて、大人でも目が覚めてしまうことがありますよね。
赤ちゃんも同じで、不快に感じることがあれば、目が覚めて、泣いてしまいます。
おしっこでオムツがパンパンになったり、うんちがお尻に当たったりして、不快に感じて泣くことも。
真っ暗な部屋でオムツを交換するのは難しいですが、真っ暗な部屋を突然明るくするのも、赤ちゃんが寝てくれなくなりそうで、ためらいますよね。
豆電球をつけて、部屋を少しだけ明るくして、オムツをテキパキと交換しましょう。
(3)モロー反射
モロー反射とは、生後間もない赤ちゃんに見られる原始反射の一つで、音や光にびっくりした赤ちゃんが、万歳するように腕を広げる反射動作を指します。
何かに抱きつくような姿勢に見えることから、「抱きつき反射」とも呼ばれています。
「外部の刺激から、自分を守ってほしい!」という、親へのメッセージなのだとか。
赤ちゃんならではの可愛い仕草ですね。
しかし、このモロー反射は、赤ちゃんを布団に降ろした時や小さな物音をたてた時など、わずかな刺激でも反応します。うとうとしていた赤ちゃん、眠りについていた赤ちゃんが目を覚まして、泣いてしまいます。
モロー反射は、ある程度定期的にやってくる空腹感やオムツの不快感とは違って、不定期に、何度も起きます。
モロー反射による、赤ちゃんの度重なる大泣きで、寝不足や抱っこ疲れになるお母さんがたくさんおられます。
第2章:モロー反射による目覚めを防ぐには
個人差はありますが、モロー反射は、生後すぐ~4ヶ月の間に起き、首が座ると、モロー反射がだんだんなくなります。
モロー反射が激しく、赤ちゃんもお母さんも寝られないなら、おくるみを試してはいかがでしょうか?
(1)おくるみとは
おくるみは、赤ちゃんを包む大判サイズの布で、正方形や長方形のもの、頭を入れられるフード付きのもの、足を入れられるものなど、いろいろなタイプがあります。
赤ちゃんの肌に触れるものなので、ガーゼやコットンなど、肌に優しい生地が使われています。
(2)おくるみのメリット
・赤ちゃんが安心する
赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で背中を丸めて、約10ヶ月過ごしますが、外の世界に出ると、背中を丸めることなく、手足を自由に動かせるようになり、羊水や羊膜以外のものに触れるようにもなります。
赤ちゃんにとって、初めての体験ばかり。赤ちゃんをおくるみで包むと、お母さんのお腹の中にいた時と同じような姿勢になるので、赤ちゃんは安心します。
安心するということ、また、手がおくるみに包まれて動かないということは、モロー反射が起きないということです。
赤ちゃんをおくるみで包むことで、モロー反射による目覚めを防ぐことができるのです。
・抱っこしやすい
産まれたての赤ちゃんは、首も腰も座っておらず、身体が柔らかいので、抱っこに慣れていないお母さんは不安を感じます。
お母さんは抱っこにすぐに慣れますが、お母さんよりも抱っこする回数が少ないお父さんやおじいちゃん、おばあちゃんは、もっと不安に感じるでしょう。
赤ちゃんをおくるみで包むと、手足が固定されるので、安定して抱っこしてあげられます。
・窒息を防いでくれる
生後7ヶ月までに、約90%の赤ちゃんが寝返りを打つといわれていますが、中には、生後3ヶ月で寝返りを打つ赤ちゃんもいます。
また、手足をバタつかせている間に、たまたまうつ伏せになる赤ちゃんも。
首が座る前にうつ伏せ寝できるようになると、自分で仰向けになったり、顔を上げたりすることができないため、窒息してしまう恐れがあります。
うつ伏せ寝していないか、お母さんが睡眠時間を削って見守るのは大変ですが、赤ちゃんをおくるみで包むことで、手足の動きを抑えて、うつ伏せ寝を防げます。
(3)包み方
専用のおくるみで包むのが一番楽ですが、おくるみがなければ、大きなバスタオルで代用できます。
バスタオルを使った包み方を紹介します。
- バスタオルを横長に置いて、赤ちゃんの首元がバスタオルの上端にくるように、仰向けに縦に寝かせます。
- 両腕を身体の左右に置いて、バスタオルの右端を、赤ちゃんの身体に巻き付けるように、左半身の下に入れ込みます。
- 同じように、バスタオルの左端を巻き付けるように、右半身の下に入れ込みます。
- 足下に余ったバスタオルを、赤ちゃんの首元に入れ込みます。
形が崩れてしまいそうな場合は、長いタオルを何回か折って細長い紐をつくり、両手首の辺りで、おくるみの上から、身体全体を結ぶと、両手を固定できます。
おくるみで身体を包むと、「キツくないかな?」と心配する方も多いと思いますが、手足が動いて、おくるみが取れてしまったら、おくるみの意味がありません。
おくるみと赤ちゃんの身体の間に、お母さんの手の平が入る程度に、しっかり包みましょう。
第3章:月齢別のオススメのおくるみ
バスタオルを使った包み方を紹介しましたが、スムーズに包めなければ、赤ちゃんがグズってしまいます。専用のおくるみなら、手こらずに簡単に包むことができます。
オススメのおくるみを、月齢別に紹介します。
(1)スワドルミー
【スワドルミーとは】
スワドルミーは、アメリカの小児科医も推奨する、世界中で人気のおくるみです。
【スワドルミーの特徴】
伸縮性のあるコットン素材で、赤ちゃんにしっかりフィットしつつ、身体を優しく包みます。
寝袋に入れるように、赤ちゃんをスワドルミーで包んで、上半身にある両面テープをとめるだけなので、簡単に装着できます。
スワドルミーには、SサイズとLサイズがあります。赤ちゃんの月齢、体重を参考に選びましょう。
【口コミ】
赤ちゃんが起きて泣く理由がモロー反射であれば、モロー反射が落ち着く生後5ヶ月頃に、スワドルミーを卒業することになります。
また、たくさん寝返りする赤ちゃんの手足を固定すると、赤ちゃんがうつ伏せになった時に、仰向けに戻ることができない恐れがあります。
寝返りを打てるようになったら、卒業しましょう。
(2)スワドルミー ラップサック
【ラップサックとは】
ラップサックは、スワドルミーを卒業した赤ちゃんにオススメで、スワドルミーよりも足元にゆとりがある作りになっています。
【ラップサックの特徴】
赤ちゃんの腕や足を出して、胴体だけを包むことができるので、自由に寝返りできます。
また、足元にはファスナーがついていて、ラップサックで包んだまま、オムツを交換することができます。
寒さで目が覚めてしまう赤ちゃんの冷えを防ぐこともできます。
【口コミ】
第4章:夜に起きて泣くのには、意外な理由が!
満腹でも、オムツを交換しても、おくるみでモロー反射を解決しても、赤ちゃんが夜に泣くことがあります。
生後間もない頃は、昼と夜の区別がつかず、赤ちゃんは自分の好きな時間に起きて、寝ることを繰り返します。
生後1ヶ月の赤ちゃんは、授乳中以外は基本的に寝ます。
しかし、生後3ヶ月になると、赤ちゃんの平均睡眠時間は約15時間になり、昼と夜の区別がだんだんついてきます。
赤ちゃんが夜に泣いて困っているお母さんは、赤ちゃんの昼間の過ごし方を見直してみてください。
・お昼寝を含めた、一日の合計睡眠時間が15時間を超えていませんか?
大人が昼寝し過ぎると、夜に寝られないように、赤ちゃんに好きなだけ昼寝をさせていると、赤ちゃんも寝られなくなったり、眠りが浅くなったりします。
最後に
長い間、お母さんのお腹の中で過ごしてきた赤ちゃんにとって、お腹の外は未知の世界で、泣くのは当たり前です。
でも、お母さんも睡眠をとらないと、体調を崩して、赤ちゃんのお世話をできなくなってしまいます。
「おくるみ」も上手に使って、赤ちゃんが目を覚まして泣く理由を取り除いて、赤ちゃんもお母さんもぐっすり寝てくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。