猫も生き物なので、我々人間と同じく病気のリスクを背負っています。
今回は、猫が特にかかりやすい病気3つと、性別や避妊・去勢手術の有無でかかりやすい病気をご紹介いたします。
全ての猫がかかりやすい病気
全ての飼い主が猫の健康を願っていますが、どんなに愛情を込めて飼育しても、生き物である以上病気は避けることが難しいものです。
早期発見・早期治療で病気に対処することで、猫の負担を少なくして治療することができます。
そのためには、猫がかかりやすい病気と症状を飼い主はしっかり覚えておくようにしましょう。
膀胱炎
猫はもともと砂漠で暮らしていたことから、僅かな水分で生活できる体になっています。
そのため水を多くは飲みたがらないのですが、これによって猫は膀胱炎にかかりやすい傾向があります。
猫が膀胱炎にかかると、いつもよりおとなしくなります。
食欲がなくなり、食べたものを吐き出してしまう子も。
尿のニオイがいつもより強く、色も褐色の濃い色をしていたら膀胱炎の可能性があります。
猫の膀胱炎は細菌感染の可能性が多く、抗生物質の処方や点滴などで治ることもありますが、尿路結石が原因の場合は外科手術や膀胱洗浄を行います。
結膜炎
細菌・ウイルス性のものやホコリなどアレルゲンが原因の結膜炎が多い他、まぶたの構造上の問題や、角膜炎など様々な目の病気にかかりやすい傾向にあります。
涙目や充血、前足で目を頻繁に触るなどの症状があれば、早めに動物病院に連れていきましょう。
結膜炎や角膜炎の多くは点眼薬や目に塗る軟膏の処方になります。
しかし重症化すると入院となることもあります。
猫風邪
人間が風邪をひいたときと同じく、猫がくしゃみや咳を頻繁にする時は猫風邪かもしれません。
猫風邪は「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「クラミジア」「マイコプラズマ」の4つの病原体に感染することで起こります。
抗生剤やウイルス剤が処方される他、猫風邪によって目やにが出ている場合は目薬が処方される場合もあります。
猫風邪で命を落とすことはありませんが、老描や子猫の場合は脱水や肺炎などを引き起こすこともあるので、早めに病院に連れていくようにしましょう。
性別でかかりやすい病気
猫は前述した3つの病気にかかりやすいですが、オス猫・メス猫でかかる病気が違うのをご存知でしょうか。
人間も猫も性別によって体の構造が異なるため、それぞれの性別がかかりやすい病気と症状を飼い主はしっかり把握しておきましょう。
オス猫の場合
オス猫はメス猫よりも尿道が細く長い傾向にあるため、腎疾患にかかりやすい傾向にあります。
オス猫が特にかかりやすのが、「尿石症」と「尿道閉塞」です。
尿石症は尿の成分が凝縮して結石となる病気で、尿道の狭いオスは特に重症化しやすい傾向にあります。
おしっこをする時にいつもとは違う鳴き声を上げたり、いつもより多くトイレに行くのにオシッコが出ないなどの症状があります。
もう一つの「尿道閉塞」にかかると、重症化するとおしっこが出なくなってしまいます。
体内の老廃物をおしっこで排出しなければいけないので、2日間尿道閉塞の状態が続くと命に関わります。
長時間トイレに行かない、行っても出ない時は早めに動物病院を受診しましょう。
メス猫の場合
メスの場合は、「子宮蓄膿症」と「乳腺腫瘍」の2つの生殖器やおっぱいの病気にかかりやすい傾向にあります。
子宮蓄膿症は発情後期に起こりやすく、子宮内に細菌が入り込むことで炎症が起こり、膿が溜まる病気です。
猫自身に痛みはなく、外陰部から膿や出血などの症状が見られることもありますが、全くの無症状であることも少なくありません。
乳腺腫瘍で胸からお腹にかけて走る乳腺に腫瘍ができる病気です。
その多くが悪性で、リンパ腺や肺に転移し命に関わります。
高齢のメス猫にかかりやすいので、定期健診は欠かさず受けるようにしましょう。
避妊・去勢手術で防げる病気
生後6か月~1歳までの間に猫は避妊・去勢手術を受けることが勧められていますが、その理由は繁殖を防ぐためだけではありません。
避妊・去勢手術を受けることで、前述したように性別によって起こりやすい病気の発症リスクを減らすことができるためです。
例えば、メスの場合は子宮蓄膿症や卵巣腫瘍の発症リスクを抑えることができます。
オスの場合は、多くが悪性化してしまう精巣腫瘍の発症リスクが抑えることができます。
オス・メスに共通して起こりやすいのが、猫エイズや猫白血病の発症率を減らすことができます。
【参考】避妊・去勢手術で予防できるねこちゃんの病気/リリー動物病院
猫を飼ったらペット保険に入ろう
猫を始め、ペットの医療費は人間のように保険が効かないため、1回受診するだけで全額自己負担となります。
突発的な病気や定期健診、避妊・去勢手術など、ペットを飼う上で動物病院のお世話になり続けなければならないので、猫を飼ったら早めにペット保険に加入しましょう。
保険によっては、人間と同じように保険証が発行され、動物病院の窓口で保険適応の金額で清算できる商品もあります。
保証率や保証範囲など商品によって異なるので、ペット保険を取り扱う保険相談窓口などで相談してみましょう。
【体験談】アレルギー体質だった我が家の猫
人間でホコリや花粉などのアレルゲンからアレルギー体質だという人はよく居ますが、猫にも同様にアレルギー体質があるのをご存知でしょうか。
我が家の猫はアレルギー体質で、結膜炎とくしゃみを繰り返しています。
様子を見ていても治る気配がないので病院に連れていったところ、その時は結膜炎と診断され目薬を処方されました。
しばらくして今度はクシャミだけが出るようになり、目薬を使い切ってから再び結膜炎の症状が出たので再度受診。
結果、何らかのアレルゲンが原因でアレルギー症状が起こっているとのことでした。
アレルゲンの特定はされませんでしたが、室内のホコリや周辺に田んぼがあったのでイネではないかとのことでした。
我が家の場合は病気ではなく体質ではありましたが、長期的な通院が必要となったため、かなり高額な医療費がかかりました。
また高齢になってから完全室内飼いにも関わらず猫風邪をひくようになり、一度かかるとなかなか治らず1か月通院し続けたこともありました。
飼い始めた時はペット保険の存在を知らず、知った時には加入できる年齢を過ぎていたので、飼い始めたらなるべく早く保険に入ることおすすめします。
早期発見・早期治療で猫と末永く暮らそう
猫が暮らす環境を整え、エサに気を使って愛情込めて飼育しても、生き物である以上どこかで病気をしてしまいます。
猫が病気をした時に早く気づいて病院に連れていくことで、負担を減らして治療を受けさせることができます。
そのため日ごろから猫の様子を観察し、少しでも異変があれば必要に応じて早めに動物病院に連れていくようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。