お歳暮を準備する時期に、「喪中につき、年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます。」という文言が書かれた喪中葉書が届くと、相手にお歳暮を贈って良いのかどうか悩む方もいるのではないでしょうか?
また、自分が喪中の時にも、同じように悩む方もいるのではないでしょうか?
相手に喜んでもらいたいお歳暮で、相手の気持ちを害することになったら嫌ですよね。
今回は、自分が喪中の時にお歳暮を贈っても良いのか、贈る場合のマナー、また、喪中の人にお歳暮を贈っても良いのか、贈る場合のマナーについて紹介します。
第一章:自分が喪中の時に、お歳暮を贈っても良いのか
喪中とは故人を偲ぶ期間を指し、派手なイベントやお祝いごとに関わるのは避けるべきだとされています。
お歳暮は、「お世話になった方に対する、年末のご挨拶、お礼」として、日頃の感謝の気持ちをこめて贈るものであり、お祝いごとではありません。
つまり、喪中の時でも、お歳暮を贈っても良いのです。
ただし、喪中の時だからこそ、気をつけなければいけないマナーが2つあります。
(1)四十九日を過ぎてから贈る
人によっては、死を「穢れ」と捉え、近親者に故人がいる人から贈り物をされることを良く思わない、気にする方もいます。
お歳暮を贈る期間は12月10日から20日頃までですが、仏式で四十九日、神式で五十日を過ぎてから贈るのが良いでしょう。
また、近親者が亡くなってしばらくの間は、生活がバタバタしていたり、気持ちが沈んだりしていて、お歳暮について考えたり、手配したりする余裕がない場合もありますよね。
そのような場合は、1月8日以降に、寒中見舞いとして贈ると、余裕をもって手配することができますよ。
(2)のしと水引に注意する
お歳暮を贈る際には、通常、紅白の蝶結びの水引を使いますが、喪中の場合は相応しくありません。
水引なしの無地の掛け紙(奉書紙)、または、無地の短冊を使います。短冊は略式なので、上司や取引先など、仕事関連で贈るなら、掛け紙を使いましょう。
通販で手配する場合には、備考欄などに、自分が喪中であることを明記しておきましょう。
第二章:喪中の人に、お歳暮を贈っても良いのか
先述したとおり、お歳暮はお祝いごとではないので、相手が喪中でも、お歳暮を送っても問題はありません。
ただし、相手が喪中だからこそ、気をつけなければいけないマナー、相手にしたい気遣いがあります。
(1)気をつけなければいけないマナー
四十九日を過ぎてから贈る
不幸から日が浅いうちに、お歳暮を贈ると、相手を配慮していないように思われたり、相手もバタバタしていて、受け取ることができなかったりします。
相手の四十九日が過ぎるまで、贈るのを控えましょう。
もし、四十九日とお歳暮の期間が重なる場合は、寒中見舞いとして贈ります。
1月1日から7日(関西では、15日)までは「松の内」と呼ばれる、門松などのお正月飾りを飾っておく期間で、「お年賀」になります。
お年賀はお祝いごとなので、松の内にお歳暮が届くと、失礼にあたります。
松の内が明けてから、2月3日頃の「立春」までに、相手に届くように贈りましょう。
のしと水引に注意する
自分が喪中の時にお歳暮を贈る場合と同じように、水引なしの無地の掛け紙(奉書紙)、または、無地の短冊を使います。
通販で手配する場合には、備考欄などに、相手が喪中であることを明記しておきましょう。
(2)相手にしたい気遣い
送り状に、おめでたい文言を書かない
お歳暮を宅配する場合に事前に送ったり、お歳暮に同封したりする送り状には、おめでたい文言を書かないように注意しましょう。
「本年も宜しくお願い致します。」や「ご霊前にお供えください」という挨拶は、良好な関係を継続したい気持ちと共に、故人を偲んでいることが伝わり、気持ちが沈んでいる相手にとって、嬉しい一言です。
相手が喪中であれば、相手の近況が良くないことは予め分かっていますよね。
相手の近況をたずねるのは避けましょう。
故人宛に贈らない
お歳暮は、お世話になった方に、感謝の気持ちをこめて贈るものなので、贈る相手が亡くなったとしても、贈りたくなる気持ちは分かります。
しかし、相手が亡くなって、この世にいないなら、この世での縁は終わりです。
故人宛に贈らないようにしましょう。
もし、故人の家族とも付き合いがあり、今後もお歳暮を贈り続ける場合は、家族の中で一番親しい方に贈りましょう。
お祝いごとなどを連想させる品物を贈らない
お歳暮として、絶対に贈ってはいけないものはありませんが、相手の心中を考えると、紅白のものなど、お祝いごとを連想させる品物、4や9など、死や苦を連想させる品物や数量は避けたほうが無難です。
まとめ
自分が喪中の時にお歳暮を贈っても良いのか、贈る場合のマナー、また、喪中の人にお歳暮を贈っても良いのか、贈る場合のマナーについて紹介しました。
喪中の時には、自分も相手も気持ちが沈んでいます。
喪中だからこそ、贈る時期やのし、送り状の文言や贈る品物などに注意しましょう。
また、くれぐれも故人宛には贈らないように気をつけましょう。
相手が亡くなっていることを知らない場合は仕方がありませんし、相手の家族にも理解してもらえますが、相手が亡くなっていることを知っているのに贈ってしまうと、家族に不快な想いをさせたり、失礼な人だと捉えられたりします。
マナーを理解して、守ることは大事ですが、難しく考える必要はありません。
相手の立場にたって、お歳暮を手配すれば、自然とマナーを守ることができるはずです。
相手を思いやった、お歳暮の贈り方をしてくださいね。